歯科衛生士ブログ
ホワイトニングの種類について
▶ホワイトニング治療
ホワイトニングとは、歯の着色(エナメル質についた有機物)を専用の機器や薬剤を使用して漂白する治療です。大きく分けて、オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、デュアルホワイトニング、セルフホワイトニングがあります。
▶ホワイトニング種類
1. オフィスホワイトニング
歯科医院で行う治療です。手順は、まず歯肉を専用の薬剤で保護をします。その後、歯にホワイトニングの薬剤を塗布します。そして、LEDライトを照射することで、歯の着色を漂白していきます。白さには個人差がありますが、一回の治療で、施術前に比べて平均で2~3トーンは白くなります。即効性がありますが、持続性はやや低いです。(半年程度)
2. ホームホワイトニング
ご自宅で行う治療です。手順は、まず型取りをしてホワイトニング用のマウスピースを作ります。その後マウスピースにホワイトニングの薬剤を入れて、夜寝る前に2時間程度、毎日装着することで徐々に白くなっていきます。オフィスホワイトニングと比べて効果がでるのはゆっくりですが、毎日行うため持続性は高いです。
3. デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを並行して行う治療です。お互いのデメリットを補い合うので一番効果が期待できます。
4. セルフホワイトニング
歯科医院で行う治療ではなくサロンなどで行う美容行為です。よって、薬事法により歯科医院で取り扱う薬剤(過酸化水素)が使用できないため効果は出にくいですが、この中では一番料金は安くすみます。施術は、基本的には自分で行います。
歯周病菌は女性ホルモンが大好物?
歯茎に炎症をもたらす歯周病菌は、歯垢や食べカスをエサに生きていそうなものですよね。実際、食べものに含まれるタンパク質などを栄養源として、お口の中で繁殖します。ただ、歯周病菌の中には「女性ホルモン」が大好物なものも存在しています。
▼エストロゲンを食べて繁殖する細菌
お口の中にはたくさんの細菌が生息していますが、P.intermedia(プレボテラ・インターメディア)と歯周病菌の一種は、女性ホルモンである「エストロゲン」を大好物としています。体から作られる物質を栄養源とするなんて意外ですよね。
▼妊婦さんは「妊娠性歯肉炎」に要注意!
妊娠中の女性では、エストロゲンの分泌量が10~30倍にまで増加します。これは女性ホルモンを大好物としている歯周病菌にとっては、繁殖する上で最高の環境といえます。それを踏まえると、「妊娠性歯肉炎」という特別な病気が存在している理由もよくわかるかと思います。
それだけに、妊娠中の女性は妊娠前よりもオーラルケアに力を入れる必要があります。
歯周病について
・歯周病とは
細菌の感染により引き起こされる炎症性の疾患です。
主な原因は、口腔清掃不良によるものです。歯と歯肉の間(歯肉溝)の清掃が疎かになり、歯垢(プラーク)がたまり、プラーク中の多くの細菌により炎症を起こして、歯肉溝が深くなり歯周ポケットが形成され、歯肉が赤く腫れてしまいます。
それに加えて、喫煙、歯列不正、遺伝、糖尿病、不適合補綴物(被せものに隙間がある)などが歯周病を進行させる因子になります。
・歯周病の進行と症状
健康な歯肉:歯肉は薄いピンク色で歯肉に弾力があり引き締まっているため出血はないです。
歯肉炎:歯肉は赤色で歯と歯の間の歯肉が膨らんでいて、ブラッシングで出血があります。
歯周炎:歯肉は赤紫色でさらに腫れ、食べ物などが詰まります。歯肉が下がり、骨が溶けます。
軽度(P1):骨吸収は歯根の長さの3分の1以下で、歯周ポケットは3~5㎜です。
中度(P2):骨吸収は歯根の長さの3分の1~2分の1で、歯周ポケットは4~7㎜です。また、軽度の根分岐部病変(歯の根っこの分かれ目の病変)があり、歯の動揺は軽度です。
高度(P3):骨吸収は歯根の長さの3分の2以上で、歯周ポケット6㎜以上です。また、高度の根分岐部病変があり、高度の歯の動揺もあります。
このように歯周病は、初期は特に痛みを感じることが少ないため、知らず知らずのうちに進行して気が付いたころには、歯を支えている骨が溶けて歯が動ようになり、最悪の場合は抜けてしまうこともある恐ろしい病気です。