医療法人晃仁会 フクロ歯科医院

診療時間9:00-18:00

木曜・日曜・祝日休診

0120-998-418

027-231-5320

歯石について

歯垢と歯石の違い

 

歯垢(しこう:プラーク)とは

歯の表面を指で触った時、ネバネバする。このネバネバが歯垢です。歯垢には、1gあたり1000億個以上の細菌が詰まっていると言われています。いわば細菌の塊です。歯磨きをしないと、食後およそ4〜8時間ほどでこの歯垢が作られてしまいます。

歯石(しせき)とは

細菌の塊である歯垢は、歯に付着したまま放置されると、唾液に含まれているリン酸やカルシウムが沈着して石のようになります(石灰化)。これを歯石と言います。個人差はありますが、歯みがきでみがき残した歯垢はおよそ2日間ほどで歯石へと変わってしまうと言われています。歯みがきがしにくい「歯と歯ぐきの境目」や「歯と歯の間」にできやすく、歯石はその名前の通り石のように硬いため、一旦歯に付いてしまうと歯ブラシでは取れません。

歯石が与える悪影響

 

1.歯周病の進行させる

歯石の主成分はリン酸カルシウムです。そ の他の構成物としては、細菌の死骸やたんぱく質などが挙げられます。歯石自体が悪さをすることはありません。しかし、歯石の表面は軽石のようにデコボコとしており、細菌が住み着いて繁殖するには絶好の環境です。歯石は歯の表面だけでなく、歯周ポケットの中にまで及びます。歯周ポケットに歯石ができて細菌が繁殖すると、歯ぐきが下がりやすくなり、歯周病の進行を早めてしまいます。

2.口臭の原因になる

歯石により細菌が繁殖し、炎症が起こり、歯肉から血や膿が出ると、口臭が発生します。

歯石を除去するには

 

1.適切なブラッシング

歯石が形成されてしまう原因は、歯垢の除去が不十分であることにあります。硬い歯石に変化してしまうと除去が難しいですが、軟らかい歯垢の段階ならセルフケアで除去することが可能です。歯垢が歯石へと変化する前にしっかりと歯垢を除去することが、歯石の沈着予防になります。自己流の歯みがきになっている方は多くいらっしゃいます。丁寧に磨いたつもりでも、歯の表面や裏面に歯垢が付いたまま…。それでは、「歯みがきは毎日しているのに、歯石ができてしまった」という状態になりかねません。歯石ができやすいのは、唾液が分泌(ぶんぴつ)される下あごの前歯の内側(舌側)や、上あごの奥歯の外側(頬側)の歯です。歯磨きを行う際にはこれらの箇所を特に意識し、歯ブラシの「かかと」と呼ばれる部分の毛先を歯の表面に押しあてて、上下に動かすとキレイに磨けます。それぞれの歯に対して適切なブラッシングを行うことが、健康な歯を維持するための第一歩です。

2.デンタルフロスや歯間ブラシで細かい歯垢を除去

「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの間」にできやすい歯垢。それを取り除くのに役立つのが、デンタルフロスと歯間ブラシです。これらを歯ブラシと組み合わせると歯垢を95%除去できるという調査結果もあります。しかし、使用法を間違えたり正しいサイズのものを使わなかったりすると、歯垢を取れないばかりか、歯ぐきを傷つけ、出血や炎症が起こることもあります。付属の説明書をよく読み、場合によっては歯科医院で正しい使い方を教えてもらいましょう。

3.歯科医院での「スケーリング」

歯垢や歯石を専用の器具(スケーラー)で除去することを、スケーリングと言います。スケーリングは、歯科医師や歯科衛生士が通常のスケーラーと超音波スケーラーを使い分けながら行うものです。日頃からセルフケアには力を入れているという方も、歯石ができてしまったら、歯科医院を受診しましょう。歯石は、完全に除去してもまたすぐに付着してしまします。歯の健康チェックもかねて定期的に歯科医院を受診し、半年に一度は歯石除去してもらうことが望ましいでしょう。

キーンとした歯の痛み

キーンとした痛みの原因

夏になると、冷たい飲み物は欠かせません。よく冷えた飲み物を飲んだとき、キーンと⻭がしみて、痛くなることはありませんか?それは知覚過敏かもしれません。知覚過敏とは、⻭の神経が過敏になり、ちょっとした温度変化を痛みと感じてしまう状態のことです。一度なってしまうと、意外と治りにくい疾患です。季節の変わり目や、温度変化の激しい気候になると増えてきます。

知覚過敏の症状

今までなんでもなかったのに、冷たいものを口に含むと一部分だけ数秒間しみて痛い。しかし、再度続けて冷たいものを含んでも最初ほどはしみない。知覚過敏になると、このような症状が現れます。ひどい時は、口に風を感じただけでしみてしまう事もあります。

知覚過敏の原因

ほとんどの場合、刺激を痛みと判断する基準が下がっていることが原因です。つまり、弱い刺激でも痛いと勘違いしてしまうということです。これは激しい気候変動や季節の変わり目、ストレスなどによって引き起こされます。また、強いブラッシングが原因になることもあります。⻭を磨くときに力を入れすぎると、⻭と⻭肉の間のエナメル質が薄くなってしまうのです。

知覚過敏の治療法

残念ながら特効薬はありませんが、例えば以下のような方法で治療を行います。

薬や樹脂でコーティングする

しみる部分を薬や樹脂でコーティングする方法があります。効果には個人差があり、その場で良くなる方は半数くらいです。

知覚過敏用の⻭磨き粉を使う

⻭を傷つけにくい、専用の⻭磨き粉があります。

かみ合わせを調整する

咬み合わせのバランスが悪く、⻭に負担がかかって知覚過敏になることもあります。その場合は、かみ合わせの調整が効果的です。

知覚過敏かどうかは自分だけでは分かりません。早めに受診をしましょう!

歯の変色について

印象を変える⻭の色

印象を大きく左右する⻭の色。白い⻭は、歳を重ねると保つのが難しくなってきます。⻭はなぜ変色してしまうのでしょうか?

なぜ⻭の色が変わるのか?

⻭の変色には様々な要素が関係していますが、その原因は大きく分けて2つに分類されます。一つは、⻭の外側から着色する外因性のもの。もう一つは、⻭の内側から変色する内因性のものです。

外因性の変色とは

例えば、毎日口にする飲食物の色素により、色が変わってしまう場合。一般的に「ステイン」と呼ばれています。特に、コーヒー・お茶・赤ワインのようなタンニンや、カレー・ケチャップのような色素の濃いものは⻭に着色しやすい傾向があります。タバコのヤニによるものも、外因性の着色と言えます。タバコには、タール(ヤニ)が含まれ、これが⻭にべったりとこびり付きます。ステインより厄介で、とても取りにくいのが特徴です。また、薬などによる着色もあります。「グ  ルコン酸クロルヘキシジン」を含む洗口剤は、⻑期間使用することにより、⻭に着色を起こすことがあります。

内因性の変色とは

例えば加齢によるもの。加齢とともに⻭が変色する理由は2つあります。

まず一つ目に象牙質の厚みが増すこと。象牙質とは、⻭のエナメル質の内側にあり、⻩色っぽい色をしています。そのため、厚くなればなるほど、⻭が⻩色っぽくなります。次に、エナメル質の減少。エナメル質は年齢を重ねるにつれてだんだんと薄くなっていきます。すると内側にある象牙質が見えてきてしまい、⻩色っぽく見えるようになります。

 

⻭の変色への対策

それでは、変色させないためにはどうすれば良いのでしょうか?

飲食物に気をつける

先ほど挙げた色の濃い食べ物に気をつけましょう。それだけでずいぶんと違います。

タバコを控える

厄介なヤニを含むタバコの本数を減らしたり、これを機に禁煙するのもおすすめです。

唾液を出すようにする

唾液には口の中を洗ってくれる効果があります。よく噛むと唾液の分泌を促すことができるため、ガムを噛むのも良いでしょう。また、口呼吸をしている人は、口の中が乾いて着色しやすくなります。できるだけ鼻呼吸を心がけましょう。

クリーニング(PMTC)を定期的に受ける

⻭のクリーニングを定期的に受けることで、⻭に負担をかけず着色を落とすことができます。また、クリーニングすることで、⻭の表面が滑らかになり、着色しにくくなります。

 

白い⻭で生き生きと!

白い⻭は、明るい印象を与え、皆さんをより一層輝かせます。⻭が変色する原因を知り、対策することで、いつまでも白い⻭で生き生きとした生活を送りましょう!!

 

口呼吸をしていませんか?

皆さんの中にはエアコンが苦手という人もいるのではないでしょうか?

しかし、「エアコンをつけると喉が痛くなる」、「朝起きたとき、喉がガラガラ」、このような人は、エアコンだけの問題ではないかもしれません。

呼吸は鼻でするもの

本来、哺乳類である人間は、鼻で呼吸を行います。

そのため、鼻は呼吸に適した構造になっており、いくつかの重要な役割を持ちます。

1.ホコリやウイルスの捕獲

これは、鼻毛の効果によるものです。

ほこりやウイルスを捕獲することで、きれいな空気のみを体内に送り込めるようにします。

2.湿度の調整

これは、鼻水の効果によるものです。

鼻水は1日に約1リットルも分泌されていますが、なんとそのうちの約7割は、鼻を通る空気を加湿するために利用されているのです。

3.温度の調整

鼻で呼吸した空気は、体温で温められ、温度が35〜37℃にもなります。

口での呼吸では、ここまで温度は上がりません。

冷たい空気を送ると、肺の免疫力が低下するリスクがとても高くなります。

気づいたら喉が痛い、それは口呼吸になっているというサインかもしれません。

 

⻭への影響

口呼吸は、口内トラブルの原因にもなります。

1.口臭や着色の原因になる

人間は、1日に1〜1.5Lの唾液を分泌します。

なぜこれほど多くの唾液が必要なのでしょうか。

その理由のひとつは、唾液に抗菌作用や殺菌作用があるということです。

しかし、口呼吸をすると唾液は乾いてしまい、その役割を果たすことができません。

そのため、菌が繁殖し、口臭や⻭の着色が発生してしまうのです。

2.虫⻭や⻭周病の原因になる

先程お伝えしたように、口呼吸をすると口の中で菌が繁殖しやすくなります。

また、⻭は「酸(酸性)」に弱いです。

通常は唾液が酸を中和してpHを調整するのですが、口が乾いていてはこの役割も果たせず、⻭が溶けてしまいます。

3.⻭並びが悪くなる

⻭は、「舌からの圧力」と「頬や唇の筋肉からの圧力」のバランスがとれる位置に並んでいます。

そのため、口呼吸をしていると「頬や唇の筋肉からの圧力」がかからず、出っ⻭や受け口になってしまう傾向があります。

エアコンが苦手なそこのあなた。もしかしたら、苦手なのはエアコンではなく鼻呼吸なのかも??

⻭にも悪影響があるので、口呼吸に気づいたら早めに対処するようにしましょう!

⻭間部清掃について

⻭間部清掃とは

⻭間部清掃とは、文字通り⻭と⻭の間を清掃することです。
⻭間部清掃に使う道具としては、主に「⻭間ブラシ」と「デンタルフロス」が挙げられます。テレビCM等でもよく宣伝されているため、使ったことはないけれど耳にしたことはあるという人が多いかもしれません。平成28年の調査では、⻭間ブラシやデンタルフロスを頻繁に使用している人の割合は、おおよそ30%でした。国の方針では、40〜50歳における使用率の目標を50%としているので、やや少ないのが現状です。

⻭間部清掃の効果

⻭間部清掃には、どれほどの効果があるのでしょうか。
⻭ブラシで磨いただけの場合、⻭と⻭の間のプラークは約60%しか除けないというデータがあります。⻭ブラシで念入りに⻭をみがいたとしても、⻭と⻭の間には多くの汚れが残り、虫⻭や⻭周病の原因になるということです。それでは、⻭間部清掃を行った場合はどうでしょうか。
図の通り、デンタルフロスを使うと80%程度、⻭間ブラシを使うと85〜95%のプラークを除去することができます。

⻭間ブラシ

⻭の根元などの、広い隙間を清掃するのに使うものです。

ポイント
・⻭肉を傷つけないよう、まっすぐ挿入し、ゆっくりと動かしましょう。
・ドラッグストアには様々な商品が置いてあります。自分の⻭にあった、適切な太さのものを選びましょう。
・奥⻭の間は通しにくいため、ブラシの先端を折り曲げるなどの工夫をしましょう。あらかじめ角度のついたものも販売されているので、ぜひ、⻭間ブラシ売り場を良く見てみてください。

デンタルフロス

糸ようじとも呼ばれ、⻭と⻭がくっついている場所等、狭い隙間を清掃するのに使うものです。

ポイント
・⻭肉を傷つけないよう、無理やり差し込まず、ゆっくりと動かしましょう。
・詰め物や被せ物に引っかかってとれてしまわないように注意しましょう。
・ただ隙間に通すだけではなく、隣り合った⻭それぞれの側面を磨くようにしましょう。

いつもの⻭みがきにひと手間加えるだけで、⻭の健康を保てます。ぜひ、「⻭間部清掃」もしっかり行ってみてください!

炭酸飲料と⻭

暑くなると飲みたくなる炭酸飲料

春が終わり、夏日と言われる日が増えてくる今日この頃。そんな時、飲みたくなるのが炭酸飲料ですよね。でも皆さん、小さい時に親から言われたことありませんか?「炭酸飲料を飲みすぎると⻭が溶ける!!」と。

お口事情と炭酸飲料

⻭は口の中の酸性が強いと溶けだしてしまいます。その基準はpH5.5以下とされています。現在、売られている炭酸飲料はほとんどがpH5.5以下。⻭が溶けてしまう基準を満たしていることになります。しかし、お口は大変優秀で酸性に傾いても、唾液の作用によって中性に戻すことができるのです。

何事もほどほどに!

以上のことから、親の言っていたことは迷信で、飲んでも影響はない!と思いたいところですが、そうとも言えません。やはり、飲みすぎというものは、⻭に悪影響を及ぼします。
先ほど、唾液が口の中を中性に戻すと言いましたが、飲む頻度が多いと中性に戻す効果が間に合わず、酸性に傾き、⻭が溶けてしまう可能性が高まります。
やはり、親の言っていたとおり「炭酸飲料を飲みすぎると⻭が溶ける」のです。⻭のことを思うと、たまに飲むくらいが良いのですね。

認知症と歯周病について

高齢化社会と認知症

高齢化社会の日本。高齢に伴う「介護」はとても大きな問題ですよね。現在、介護が必要となる一番の原因は「認知症」となっています。それでは、認知症にならない、進行させないためにどのようなことをすればいいのでしょうか?

⻭がないと脳が小さくなる!?

認知症には、様々な種類があります。現在日本で一番多いのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症の発症には、脳の中の神経伝達物質の減少が大きく関わっていると考えられています。その神経伝達物質は、「噛むこと」により刺激が脳に伝わることで増加します。過去の研究で、アルツハイマー型認知症の人は健康な人よりも⻭の本数が少なく、そして残存する⻭が少なくなればなるほど、脳の萎縮が進んでいたということが報告されています!!

⻭がなくなる原因、⻭周病

先ほど、⻭がなくなると脳の萎縮が進むという話をしましたが、日本において⻭がなくなる二大原因は「むし⻭」と「⻭周病」と言われています。⻭周病とは、⻭と⻭ぐきの間に繁殖する細菌に感染し、⻭の周りに炎症が起こる病気です。この病気の恐ろしいところは、はじめはほぼ自覚症状がないまま進行するところです。
それでは、どのようにして防げばいいのでしょうか??

大切なことは、「気づくこと」です。

 

⻭周病セルフチェック

□ 朝起きたとき、口の中がネバネバする

□ ブラッシング時に出血する

□ 口臭が気になる

□ ⻭肉が赤く腫れている

□ かたい物が噛みにくい

□ ⻭が⻑くなったような気がする

□ 前⻭が出っ⻭になったり、⻭と⻭の間に隙間が出てきた

 

皆さん、いくつ当てはまりましたか?

3つ当てはまると、油断禁物。⻭医者さんで予防するように努めましょう。
6つ当てはまると、⻭周病が進行している可能性があります。
全て当てはまる人は、かなり⻭周病が進行しています。

 
⻭を大切に⻑生きしよう!

認知症と⻭の関係は、今も研究が進められています。⻭を大切にすることは、将来の自分を大切にすることに繋がります!
美味しい物を自分の⻭で噛んで、健康で⻑生きしたいですね。