歯科衛生士ブログ
口内炎にならない方法
充分な栄養、睡眠、そしてよく噛んで食べる
夏は日焼けして、肌の再生にビタミンCが使われるから口内炎ができやすい・・・という話があるそうです。
この話は本当かどうか難しいところですが、できれば、口内炎にはなりたくないですよね。
口内炎ができる原因は、ビタミンB、Cといった栄養不足や、疲労・ストレスによる免疫(めんえき)力の低下、あるいはウイルスや細菌の感染によるものや、口の中を傷つけてしまって起こることもあるのだとか。
疲労や栄養バランスが崩れたことが原因でできた口内炎は、ゆっくり休んだり、栄養バランスを整えることで、自然に消えるでしょう。
しかし、10日以上続く場合や広範囲で発生している場合、熱もある場合などは、病院に行きましょう。
また、痛くて食事ができないなど、生活で困ったことが起きている時も、無理せずにお医者さんに診てもらいましょう。
こまめな水分補給を心がけ、食事の際はよく噛んで食べるようにしましょうね。
意外と知らない口の病気
虫歯や歯周病(ししゅうびょう)など、口の中のトラブルになる原因は色々ありますが、放っておくとガンになってしまう病気があることを知っていますか?
今回は「白板症(はくばんしょう)」という病気についてご紹介します。
どんな病気なの?
白板症とは、口の中にこすっても取れない白い板状、あるいは斑点状に表面が硬くなる部分ができるものです。
女性よりも男性の方ができやすく、男性の方が約2倍くらい多いようです。
年齢は50~60歳代が多いのですが、20歳代~80歳代と幅広い年代で症状が出ることがあります。
症状が出る部分としては、下あごの歯ぐきが29%、舌が25%、ほほの粘膜(ねんまく)が24%という順番に多いようです。
痛みがあることは少ないようですが、稀に初期のガンであることもあるので、気になる時は先生に相談すると良いでしょう。
どうやって治すの?
白板症の原因は、放置した虫歯や、差し歯などの尖ったところが粘膜(ねんまく)を刺激して起こるとされています。
また、タバコを吸う習慣が原因になる、ビタミンAが不足することで起こるなどと言われていますが、はっきりとした原因はまだわかっていないと言います。
治療をする場合は、ビタミンAが効くことが多いので、まずはビタミンAを投与し、反応があるかどうかを確認します。
反応がなければ、手術をして、硬くなっている部分を取り除きます。
しかし、手術した後も再発することがあるので、様子を見続ける必要があります。
いずれにせよ、自分では気付きにくい上に、判断するのも危険なので、欠かさず定期健診を受けることを心掛けましょう!
歯周病について
・歯周病とは
細菌の感染により引き起こされる炎症性の疾患です。
主な原因は、口腔清掃不良によるものです。歯と歯肉の間(歯肉溝)の清掃が疎かになり、歯垢(プラーク)がたまり、プラーク中の多くの細菌により炎症を起こして、歯肉溝が深くなり歯周ポケットが形成され、歯肉が赤く腫れてしまいます。
それに加えて、喫煙、歯列不正、遺伝、糖尿病、不適合補綴物(被せものに隙間がある)などが歯周病を進行させる因子になります。
・歯周病の進行と症状
健康な歯肉:歯肉は薄いピンク色で歯肉に弾力があり引き締まっているため出血はないです。
歯肉炎:歯肉は赤色で歯と歯の間の歯肉が膨らんでいて、ブラッシングで出血があります。
歯周炎:歯肉は赤紫色でさらに腫れ、食べ物などが詰まります。歯肉が下がり、骨が溶けます。
軽度(P1):骨吸収は歯根の長さの3分の1以下で、歯周ポケットは3~5㎜です。
中度(P2):骨吸収は歯根の長さの3分の1~2分の1で、歯周ポケットは4~7㎜です。また、軽度の根分岐部病変(歯の根っこの分かれ目の病変)があり、歯の動揺は軽度です。
高度(P3):骨吸収は歯根の長さの3分の2以上で、歯周ポケット6㎜以上です。また、高度の根分岐部病変があり、高度の歯の動揺もあります。
このように歯周病は、初期は特に痛みを感じることが少ないため、知らず知らずのうちに進行して気が付いたころには、歯を支えている骨が溶けて歯が動ようになり、最悪の場合は抜けてしまうこともある恐ろしい病気です。
歯周病菌は女性ホルモンが大好物?
歯茎に炎症をもたらす歯周病菌は、歯垢や食べカスをエサに生きていそうなものですよね。実際、食べものに含まれるタンパク質などを栄養源として、お口の中で繁殖します。ただ、歯周病菌の中には「女性ホルモン」が大好物なものも存在しています。
▼エストロゲンを食べて繁殖する細菌
お口の中にはたくさんの細菌が生息していますが、P.intermedia(プレボテラ・インターメディア)と歯周病菌の一種は、女性ホルモンである「エストロゲン」を大好物としています。体から作られる物質を栄養源とするなんて意外ですよね。
▼妊婦さんは「妊娠性歯肉炎」に要注意!
妊娠中の女性では、エストロゲンの分泌量が10~30倍にまで増加します。これは女性ホルモンを大好物としている歯周病菌にとっては、繁殖する上で最高の環境といえます。それを踏まえると、「妊娠性歯肉炎」という特別な病気が存在している理由もよくわかるかと思います。
それだけに、妊娠中の女性は妊娠前よりもオーラルケアに力を入れる必要があります。