医療法人晃仁会 フクロ歯科医院

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私の考えとしてのインプラント選択

まずは、先生や医院のスタッフとの相性の問題が一番ですので、人間として尊敬できる人や医院を選ぶこと、相性が悪いと思ったら少なくともセカンドオピニオンを求められるのが一番いいと思います。

問題となるのは、インプラントの種類です。

まずは、永続性の問題です。インプラントシェアの大きい会社(つぶれない会社)を選びます。ノーベルバイオケア、3i、アストラの3社の製品は、コピー製品の製造が許されている韓国で10社以上の会社で必ず作られているので、なくなることはないでしょう。また、デンツプライ(XIVE)、ZIMMER(カルシテック、スプライン、スイスプラス)、ストローマンのITI、そして国産のGC、JMM(京セラ)なども親会社が大きいので残ると思います。これぐらいで全体の9割ぐらいカバーしている感じでしょうか。当院ではシェアの一番大きいノーベルバイオケア社のスピーディグルービー、親会社が一番大きなデンツプライ社のXIVEと1回法用として一番販売を伸ばしているZIMMER社のスイスプラスなどをメインに用いています。国産の会社や格安の中国製品は価格の安さが命ですから、トータルのインプラント治療費も安くできるのですが、製品の信用度や会社の存続性に問題があるため使っていません(某国産会社の中には、資金繰りから社長が逮捕されているのに、そのまま営業を続けているインプラントメーカーがあるぐらいです)。しかしインプラントの生産では、韓国が日本よりもシェアが大きく、アジアナンバーワンの状況が続いており、日本にもすでにトップの数メーカーが進出しています。彼らの特徴は他のメーカーの良いとこどりですので、価格相談をされる場合はこちらの使用を現在はおすすめしています。

更に、インプラントの表面性状や形態の違いも大きな問題です。それぞれ材質、表面処理、形状などが違い症状に応じての使い分けも行われます。値段も数倍違うものもあります。性状の違いにより治癒するまでの期間も違ってきます(昔の器械研磨なら4ヶ月だったものが、いまやSLAなどを用いれば6週間でもOKという時代)。また、GBR、サイナスリフトなどの骨補填が必要な場合には、1回法のインプラントは選択しづらいという問題もあります。

ところで若干古い?タイプのインプラントでも表面をリニューアルする装置を使えばスピードがはやまります。それが光機能化です。
インプラント治療の成功のためには、インプラントと植えられた骨とが強固に接着することが必要です。
しかし、インプラント表面の骨と接着する能力は、インプラント体の形状よりも、インプラントが製造されてからの時間の経過に伴って低下していることが米国UCLA小川隆広教授らのグループによって明らかにされました。工場で製造された新鮮なインプラントを手にすることは不可能です。すなわち、現在のインプラントは本来の持っている能力が最高の状態ではないのです。このことをチタンのエイジング現象といいます。また、もう一つの懸念は、インプラントには製造年月日の記載がなく、どの程度のエイジングが進行しているかを知る手がかりはありません。故に患者さん毎によって同じ種類のインプラントであったとしても性能の異なった状態で使われているのです。(光機能化HPより)

インプラント体表面を強い紫外線で滅菌することで表面の汚れ(主に炭素とされる)をとりさることでインプラントは親水性を取り戻し、骨細胞がくっつきやすくなり、骨とインプラントが治癒するまでの時間も早まります。(現在下顎で1ヶ月、上顎では2ヶ月程度で2次手術をおこなえるようになりました)
フクロ歯科では2011年に群馬で初めて光機能化装置を導入し、それ以来埋入するインプラントにはすべて光機能化処置を行っています。
次に、インプラントアバットメント(土台)の形態と種類の多さがあげられます。インプラントの上部構造は、セメント合着(仮着)、ネジ止めなどにより留めますが、それに合わせたアバットメントを選択することで、より審美的そして機能的に働きます。アバットメントがインプラント体に最初からくっついているなどという製品もありますが、自由度が低く、後で困ることが多いと思われます。インプラントを1種類だけで対応することは難しいので、数種類のインプラントの特徴を患者様のお口の中に合わせて選択していくこと(わざと複合させて使うことはないですが、上下の顎で骨の硬さの違いを解った上で変える場合はあります)、なおかつそのインプラント自体を長期にわたって上部構造の変化まで考慮に入れて提供できることなどが選択の基準になっています。さらにカスタムアバットメントを作成する時代になってきました。インプラントと上部の構造をつなぐアバットメントの形態自体を自由設計にして上部の構造物はアバットメントと同時に装着することも可能な時代になってきています。(当院の技工士はこの作業にコンピュータを用いたり、コバルトクロムの鋳造で行ったりと様々な選択をすることができる数少ない技工士です。)

フクロ歯科医院のインプラント変遷

フクロ歯科医院で治療を始めた時、父が京セラのサファイアインプラントを既に購入していました。自分も当時京セラ傘下の再建歯学研究所という講習会のインプラント講師でしたので、すでにサファイアの予後が悪いのは解っていましたが、父の薦めで数人の方に治療費を材料費のみで埋入させて頂きました(2009年に20年使っていただいた最後のサファイアを現在の歯根型に変えさせて頂いたので、もう残存症例はないと思います)。その後は、京セラのチタン製インプラントを数年間にわたって埋入しましたが、自分がかつて講習会をしていたインプラントを含めて売れなくなると生産を止めてしまう京セラの考え方に疑問を持ちました。その点ブローマルクのシステムは高額ですが、長くにわたって同じ製品を販売し続けており、特許を公開していたため、アメリカでも数社がコンパチブル(製品規格が同じで上部は同じアバットメントを使える)を出しているので、製品がストップすることはまずありえません。京セラの製品は、自分も開発時に加わった規格の製品ですから思い入れはあったのですが、規格がなくなったり、突然変わると一番困るのは患者様ですから、そこは思い切って変えさせて頂きました。ブローネマルク型のインプラントを使い出して、それなりの予後を誇っていましたが、どうもインプラント体とアバットメントのジョイント部が弱いことが気になり始めていました。 長く安心して使えるインプラントを見つけようとしていました。

そんな折に、慶応病院でインプラントを担当している高校の同級生である河奈先生と学会場で再会し、彼の推奨するフリアリットインプラントのインナーヘックスの優位性を紹介して頂き、約10年前よりフリアリットインプラントを導入しました。 これは、2回法で行うインプラントとしては国内でも最高水準のインプラントであり、現在も自信をもってお勧めしています。親会社のデンツプライは、世界でも売上高トップの歯科材料総合メーカーで、途中でF2からXIVEというインプラントに形状を変更しましたが、アバット部の規格は変わらないままでした。 従来の補綴器具がそのまま使える点はさすがにヨーロッパの製品だと思います。 また2007年には、懇意にして頂いている鹿児島の吉留先生からDr.マローの行うオールオン4やオールオン6の手法をご紹介頂いて、ノーベルバイオケア社のスピーディグルービーインプラントをオールオン4あるいはオールオン6を用いる際にスペシャルインプラントしてご提供しています。インプラント体としては、フリアリットの方が個人的には好きですが、補綴に最高精度のCAD/CAMを用いることが出来るなど、現在この治療を行うにはかかせないインプラントです。(2013年アメリカを訪れた際にすでにフリアリットでオールオン4・6を行えるキットがアメリカでは販売されていました。日本にももうすぐくると思われます。) 更に、1回法用としては過去にITIを行っていたこともあり、その発展型といえるZIMMER社のスイスプラスのインプラントを埋入させて頂いています。 こちらは、ITIとコンパチブルなのですが、インプラント本来の溝の形状が素晴らしくITIよりもすばらしい予後が保証されており、1回法のインプラントとして利用しています。

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